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[SIGMA 65mm F2 DG DN, SONY α7RIV]

少し前ですがFiiOの新しいケーブルLC-RE Proを購入しました(写真左)。ミッフィーちゃん(FDX)付属のケーブル(写真右)と同等品と思われますが、プラグとコネクタ部の色が違います。ミッフィーちゃんのは金色、今回購入したのは銀色です。


試しにミッフィーちゃんに着けて聴いてみましたが同じ音でした。金メッキ銅、銀、銅のハイブリッドケーブルです。キラキラとして値段の割に(2諭吉ちょっと)とても美しいです。

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[SIGMA 65mm F2 DG DN, SONY α7RIV]

プラグも2.5mm、3.5mm、4.4mmと全て揃っていて素晴らしいですね。

なんとも厄介なことに、LC-RE(*LC-RDでした。すみません)という銀ケーブルが同時発売されています。



こちらはFD7に付属のものと同等品でしょうか。さらに同名のケーブル


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が存在していて、こちらの見た目はLC-RE Proによく似ていますがプラグとコネクタ部は黒です。Proと同等品かどうかは分かりません。

もしあなたがこの黒ブラグケーブルを持っているのなら迷わず沼に投げ込みましょう。すると上の写真のように沼の女神が現れて

あなたが落としたのは金のプラグのケーブルですか?それとも…(以下略)

何はともあれLC-RE Proを購入した理由はこうです。いま手持ちのMMCXイヤホンはミッフィーちゃんとネナちゃん(7Hz i99)だけです。




ネナちゃんは値段の割には(5諭吉ちょっと)響きが美しく、特にアコギの切れ味やザラついた男性ボーカルが得意です。あまり聴くわけではないのですが、優里くんはほぼこれ一択です。 

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[SONY 50mm F2.5 G, α7RIV]

ところがネナちゃん、バランス化にことごとく失敗しているのです。相当な数のケーブルを試しましたが、よくなった試しがありません。それでもう諦めていたのですが、同じMMCXということで、ダメもとでミッフィーちゃんのケーブルを着けてみました。

そうしたらあまりに美しい音になったのです!それで嬉しくなって同等品のLC-RE Proをお迎えしたという訳です。

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[SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO, SONY α7RIV]

ところが、あらためてネナちゃんに着けて聴いてみたら全然よくないのです! 確かに高音は少し煌びやかになりますが、低音が爆裂で聴くに堪えないのです。あまりよく覚えてないのですが、前に聴いた時はたぶん酔っ払ってたか眠いか正常な判断ができない状態だったのかもしれません。我ながら自分の判断のいい加減さには驚かされます。ヴィジュアル的にはネナちゃんとマッチするだけに残念極まりません。

困りました。MMCXのイヤホンはもう他にありません。仕方がないのでとりあえずお試しの気持ちで伝家の宝刀



に登場願いました2pinからMMCXへの変換コネクターです。こんなこともあろうかと少し前に購入していました。まずはビリーちゃん(KBear Believe)です。2諭吉弱なのにグルーブ感にあふれる素晴らしいサウンドを聴かせてくれます。ずとまよさんは今でもこれ一択です。

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[SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO, SONY α7RIV]

着けてみました。ビジュアルはなかなかいい感じです。が、音はやっぱりダメでした。低音爆裂で中高音もパッとしないつまらないイヤホンに成り下がってしまいました。

次は最愛のアハトちゃん(VE8)に着けてみました。ビジュアルから勝手にEffect AudioのHorusみたいな音になるんじゃないかと期待したのですけれど、そんなことあるはずがありません。1/20価格ですからね。低音爆裂だけでなくアハトちゃん得意の中高音も泥水のように濁って聴けたものではありません。前にいろいろケーブルの試聴をさせて頂いた時に感じたのですが、ハイブリッド系のケーブルはアハトちゃんの美しい倍音の響きを損ねてしまう傾向があるような気がします。

もう詰んだな…そう思いました。が、もう一つイヤホンがあります。エミちゃん(Simgot EM2)です。



沼に足を踏み入れた1年ちょっと前に1諭吉くらいでお迎えした1BA+1DDのイヤホンで、当時は気に入ってよく聴いていました。女性ボーカルが得意ですがちょっと不自然なサウンドなのでだんだん聴かなくなりました。後継機のEM2R



も気にはなっているのですがエミちゃんがいるからまあいいかな、と思って手は出していません。

問題は、エミちゃんはqdcタイプの2pinです。でも大丈夫。こいつがいます。



これもエミちゃんをお迎えした頃に購入していました。

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 [SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO, SONY α7RIV]

着けてみました。ビジュアルはなかなかいいですね。パッと見変換プラグを介しているような違和感はありません。

ここまでくるともうダメだろうな〜と全く期待せずに聴いたのですが、これにはびっくり!いい意味で期待を裏切られました。エミちゃんは元々ドンシャリ傾向なのですが、低音が全然足りていませんでした。それがこのケーブルの爆裂低音とうまく調和して、とてもバランスのいい気持ちのいい低音を聴かせてくれるようになったのです。やや雑で違和感のあった中高音もスッキリとしてとても美しく聴きやすくなりました。

という訳で、最後の最後にLC-RE Proの嫁ぎ先が決まりました。エミちゃんで文句ありません。1諭吉のイヤホンに2諭吉強のケーブルというのもオーバースペックな気がしますが、結果的に5〜6諭吉のイヤホンと言われても疑うことがないようなバランスのいい聴きやすいドンシャリサウンドになりました。相変わらず女性ボーカルが得意ですが、ポップス、ロック系はなんでもいけそうです。特にずとまよさんはビリーちゃんとはまた違うノリで楽しく聴くことができます。

LC-RE Pro、結局このケーブルはなんだったんだろう?ミッフィーちゃんの音からなんとなくどんなイヤホンでも煌びやかな響きになるのではないかと予想していましたが全く違いました。いろいろ試したイヤホンについて共通して言えるのは、高音には少し煌びやかさを付加するものの、中高音は良くも悪くもなまされる感じ、そして低音がかなり増強される、といったところでしょうか。相当にクセの強いケーブルと言っていいと思います。

そう思うと、ミッフィーちゃんの裸の姿は実は全然違うんだろうなぁ、という気がします。そう言えばだいぶ前に変換アダプターを介してミッフィーちゃんにBeataudio Supernova MKIIを着けてみたらなんだか野太い暗い音になってあまり良くなかったのを思い出しました。きっとこのケーブルはミッフィーちゃんの魅力を最大限に引き出すために生み出されたのでしょう。

そんな訳で、 LC-RE Pro、ミッフィーちゃん兄弟機のFD7をお持ちの方には大いに試す価値があると思います。全く同じになるかは分かりませんが、FDXに近いサウンドに変貌するのではないかと思います。そして非常にクセが強いので、相性次第でそこそこのイヤホンが大化けする可能性も秘めています。失敗することの方が多いかもしれませんけれどね^^;